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2025.09.04
【金融業界DX】厳格な業務プロセスをAsanaで標準化!コンプライアンス強化と業務効率の両立

「新規口座開設や融資審査のプロセスが複雑で、担当者によって手順や確認項目にバラつきがあり、常にミス発生のリスクを抱えている」「内部監査や金融庁の検査のたびに、過去の膨大な紙の書類やメールの履歴を掘り起こすのに膨大な工数がかかっている」「厳格なコンプライアンスを遵守しようとするほど、業務プロセスが非効率になり、ビジネスのスピードを阻害している」
金融機関のコンプライアンス部門や業務改善担当者の皆様にとって、これは永遠の課題ではないでしょうか。顧客の資産を預かり、社会的なインフラとして機能する金融機関にとって、厳格なコンプライアンス体制の構築は事業の根幹です。しかし、その厳格さを担保するためのプロセスが、業務の非効率化や属人化を招き、結果として新たなリスクを生むというジレンマに陥っています。
本記事では、このジレンマを解消し、「コンプライアンス強化」と「業務効率」という二律背反に見えるテーマを両立させるためのDXソリューションとして、ワークマネジメントプラットフォーム「Asana」をご紹介します。Asanaを活用し、いかにして厳格な業務プロセスを標準化し、監査対応を効率化するか、その具体的な手法を解説します。

目次
なぜ金融機関の業務プロセスは「重く」「リスキー」なのか?
金融機関の業務プロセスが抱える課題は、その高い信頼性が求められる事業特性に起因します。
1. 複雑なチェックリストと紙・ハンコ文化に依存する承認リレー

金融商品の組成、融資実行、コンプライアンスチェックなど、多くの業務には多段階の承認と、数十項目に及ぶチェックリストが伴います。これらのプロセスが、今なお紙の稟議書への押印リレーや、担当者間のメール転送によって行われていると、プロセスは著しく遅延します。どこで承認が滞っているのか、誰がボールを持っているのかが見えないため、ボトルネックの特定も困難です。
2. 属人化したプロセスとヒューマンエラーのリスク
「この手続きは、長年担当しているAさんのやり方が一番確実だ」といったように、重要な業務プロセスが個人の経験や知識に依存する「属人化」は、金融機関にとって大きなリスクです。その担当者が不在の場合に業務が滞るだけでなく、手順が明文化・標準化されていないため、他の担当者が同じ業務を行った際に、確認漏れなどのヒューマンエラーを誘発する可能性が高まります。

3. 監査対応の膨大な工数
内部監査や監督官庁による検査の際には、「特定の取引に関する意思決定プロセスと、その承認履歴を全て提示せよ」といった要求がなされます。その際、関連情報が紙の書類や個人のメールボックスに散在していると、証跡(エビデンス)を収集・整理するためだけに、担当者は数日から数週間にわたる膨大な時間を費やすことになります。
Asanaで構築する「監査対応可能な」標準業務フロー
Asanaは、これらの課題を解決し、厳格かつ効率的な業務プロセスを構築するための最適なプラットフォームです。
STEP 1: 「プロジェクトテンプレート」で業務プロセスを“法典化”する
まず、金融機関における定型的で厳格な業務プロセス(例:「新規口座開設プロセス」「反社チェック業務」「新金融商品開発承認フロー」など)を、Asanaの「プロジェクトテンプレート」として定義します。このテンプレートには、規制や内部規定で定められた全てのチェック項目や承認ステップを「タスク」および「サブタスク」としてあらかじめ組み込みます。

さらに、「タスクの依存関係」を設定することで 、「ステップ1のコンプライアンスチェックが完了するまで、ステップ2の審査担当者への割り当ては行われない」といった、厳格な手順の遵守をシステム的に強制できます。これにより、業務プロセスが担当者のスキルや経験に依存することなく、常に標準化された手順で実行されることが保証されます。

STEP 2: 「承認機能」で、意思決定プロセスを完全記録する
Asanaには、承認プロセスに特化した「承認」タスクタイプがあります。紙の稟議書への押印に代わり、全ての承認行為をAsana上で完結させます。承認者は、関連資料をAsana上で確認し、ワンクリックで「承認」「変更をリクエスト」「却下」のアクションを選択します。
これにより、誰が、いつ、どのような判断を下したのかが、変更不可能な記録としてタイムスタンプ付きで全てAsana上に保存されます。これは、内部統制の観点から極めて重要な機能です。

Asanaが「監査証跡」となり、コンプライアンスを強化する
Asanaで標準化された業務プロセスは、それ自体が強力なコンプライアンスツールとなります。
監査の際には、特定の案件に対応するAsanaのプロジェクトやタスクを提示するだけで、依頼の発生から、全てのチェック工程、関係者間の議論(コメント)、そして最終的な承認までの全プロセスを、時系列で網羅した完璧な「監査証跡(オーディットトレイル)」として提出できます。これにより、これまで監査対応にかかっていた膨大な準備工数を、劇的に削減することが可能です。
また、コンプライアンス部門は、Asanaの「レポート」機能を活用し、全社で進行中の各種プロセスの状況を横断的にモニタリングできます。「承認期限を過ぎている案件」や「特定のチェック項目で頻繁に手戻りが発生しているプロセス」などをデータで特定し、プロアクティブにリスク管理や業務改善を行うことができます。
金融機関が求める、高度なセキュリティとガバナンス
顧客の機微な情報を扱う金融機関にとって、クラウドツールを導入する上での最大の懸念はセキュリティです。Asanaは、金融機関の厳格な要件に応える、エンタープライズグレードのセキュリティとガバナンス機能を備えています。
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- 認証とアクセス管理:SAML認証によるシングルサインオンや、SCIMによるユーザープロビジョニング に対応し、企業の厳格なID管理ポリシーと連携できます。
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- データ保護:データは転送時および保存時に256ビットで暗号化され、SOC 2 (タイプ 2)やISO/IEC 27001 といった国際的なセキュリティ認証を取得しています。
- 監査と統制:監査ログAPIを通じて、Asana上の全ての操作ログをSplunkなどのSIEMツールと連携させ、常時監視することが可能です。情報漏洩対策(DLP)連携もサポートしています。
まとめ:厳格さと俊敏性を両立させる、次世代の金融業務基盤
これからの金融機関に求められるのは、厳格なコンプライアンス体制を維持しながらも、市場の変化に俊敏に対応できるビジネスプロセスです。Asanaは、業務プロセスを標準化・デジタル化することで、ヒューマンエラーのリスクを低減し、コンプライアンスを強化すると同時に、承認プロセスの迅速化や業務の自動化によって、組織全体の生産性を向上させます。
それは、DXを通じて「厳格さ」と「俊敏性」という、これまで両立が難しいとされてきた価値を同時に実現する、次世代の金融業務基盤の構築に他なりません。
「自社の業務プロセスを見直し、コンプライアンスと効率性を高いレベルで両立させたい」。そうお考えの皆様、ぜひ一度、1000人規模での自社導入・運用で培った『実践知』と豊富な導入支援実績を持つ、双日テックイノベーションにご相談ください。貴社のDX推進を、力強くサポートいたします。
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