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- 【小売業のバックオフィスDX】Asanaで店舗支援業務を効率化!情報共有とタスクの自動化
目次
1. はじめに:小売業バックオフィスの現状とDXの必要性
全国に展開する小売チェーンのバックオフィスでは、日々膨大な店舗からの問い合わせ対応に追われています。売上速報や在庫確認、販促物の発注依頼など、内容も手段もバラバラな情報がメールや電話、チャットツールに飛び交うため、「誰が」「何を」「いつまでに」対応するのかが不透明になりがちです。
結果として、同じ問い合わせに複数人が重複対応したり、引き継ぎ漏れで対応遅延が発生したりと、無駄な手間と時間を浪費。さらに、対応ノウハウが蓄積されずFAQ化できないため、ルーティンタスクは毎回手作業で繰り返され、バックオフィス全体の生産性を大きく下げています。
このような状況を放置すると、店舗運営のスピード低下だけでなく、顧客満足度の低下やチームの士気低下も招きかねません。そこで本記事では、Asanaを使って問い合わせを一元管理し、自動化ルールでタスク化・優先順位付けを行うことで、現場の負荷を大幅に軽減する具体的なDXステップをご紹介します。
2. Asanaとは?小売バックオフィスで使うメリット
Asanaは、チームのタスク管理からプロジェクト計画、進捗可視化までを一元化するクラウド型ワークマネジメントツールです。メールやチャットに散在しがちな店舗支援業務を「プロジェクト」としてまとめ、各タスクの作成・担当者・期日を明確化。小売業バックオフィスで起こりやすい情報共有の遅れや対応漏れを防ぎます。
まず「プロジェクト」機能では、問い合わせ対応や販促準備など業務カテゴリごとにボード(看板方式)やリスト形式のワークフローを作成可能。ドラッグ&ドロップでタスクを移動しながら、進捗状況をリアルタイムで把握できるため、店舗支援業務の効率化が図れます。
次に「カスタムフィールド」。問い合わせの優先度や店舗名、問い合わせ種別などをあらかじめ定義しておけば、担当者は一覧画面上で絞り込み・ソートが可能に。これにより、緊急対応や定例タスクを瞬時に識別し、リソース配分の最適化を実現します。
さらに、Asanaの「Rules(自動化ルール)」を活用すると、タスク作成時やステータス変更時に自動的に担当者アサインや期日設定、タグ付与などを実行可能。ルールを一度設定すれば、日常的なタスク自動化 小売業務が定着し、バックオフィスチームの負荷を削減します。
「チームカレンダー」や「タイムライン」機能を使えば、複数のプロジェクトを横断的にスケジュール管理でき、繁忙期やキャンペーン時のリソース調整も容易です。例えばセール期間中は販促関連タスクをまとめて表示し、関係部署と連携することでオンタイム発注を実現できます。
また、Slackやメール、Google Drive、Shopifyなど主要ツールとの連携が充実。Asana上でコメントやファイルをやり取りできるため、「情報共有」としてドキュメント管理や問い合わせ履歴を一元化できます。結果として、問い合わせ対応履歴のナレッジベース化が進み、FAQ運用の土台が整います。
ダッシュボード機能では、KPIや進捗率、完了タスク数などをグラフ化。バックオフィス全体の稼働状況を可視化し、マネジメント層へのレポーティングにも最適です。これにより、定量的な業務効率化指標を社内で共有でき、DX推進担当者の意思決定を後押しします。
以上のように、Asanaは「情報共有の課題解決」「タスク自動化」「業務効率化」をワンストップで実現するプラットフォームです。次章では、具体的に小売業バックオフィスでのワークフロー構築方法をご紹介します。
3. 実践:Asanaで店舗支援ワークフローを構築する
3-1. 問い合わせをタスク化する方法
まずはメールやチャットで届く各店舗からの問い合わせを、Asana上でタスク化します。専用プロジェクトを「店舗問い合わせ管理」として作成し、「店舗名」「問い合わせカテゴリー」「優先度」「期限」といったカスタムフィールドを設定。新規タスクを登録すると自動で担当者にアサインされ、リストビューで一目で未対応タスクが確認できるようになります。
3-2. 関連部門との連携をスムーズにする仕組み
問い合わせの中には、経理部門やマーケ部門へのエスカレーションが必要なものもあります。Asanaではサブタスク機能や“依存関係(Dependencies)”を活用し、関連部署のプロジェクトと紐づけが可能。たとえば本社→物流→マーケ担当と順番にタスクをつなげることで、誰がどこまで対応済みかを可視化し、連携ミスを防ぎます。
3-3. ルーティンタスクの自動化設定
同じ問い合わせが定期的に発生する場合は、Asanaの「Rules(ルール)」機能で自動化。例えば「毎月1日に在庫レポート確認タスクを自動作成」「新規タスク登録時に‘高’優先度なら3営業日後を期限に設定」といった自動ルールを設定すれば、手作業のルーティンタスクが完全に省略可能です。初期設定だけで継続的な効率化が実現します。
3-4. FAQナレッジベースの共有
定型対応は「FAQナレッジベース」プロジェクトに蓄積しましょう。問い合わせ対応後に「よくある質問」タスクを作成し、詳細をコメント欄に記録。これを定期的にレビューし、回答テンプレートとして承認済みのコメントを固定表示すれば、次回以降の対応スピードが飛躍的に向上します。
4. 導入効果と事例
導入前、某企業のバックオフィスでは月間平均1,200件の店舗問い合わせに対し、対応完了までに平均48時間を要していました。Asana導入後は、問い合わせのタスク化と自動化ルールの活用により、平均対応時間が48時間から12時間に短縮。対応件数あたりの処理時間を75%削減することに成功しました。
さらに、FAQナレッジベースを活用した結果、定型問い合わせのうち60%が担当者のマニュアル入力なしで自動的に既存回答から解決。バックオフィス担当はルーティンタスクから解放され、より高付加価値な業務—新商品の販促計画や店舗トレーニング資料整備—にリソースをシフトできるようになりました。
定量効果だけでなく、定性効果も顕著です。部署間のコミュニケーションがAsana上で可視化されたことで、経理部門や物流部門との情報共有ロスが劇的に改善。対応ステータスをリアルタイムで確認できるため、「誰がどこまで対応しているのか」が一目瞭然となり、問い合わせのエスカレーション漏れがゼロ件となりました。
また、ダッシュボード機能を使ったKPI管理により、マネジメント層は月次レポートを10営業日から3営業日に短縮。経営判断のスピードアップに寄与し、結果として新規店舗開設ペースを年間2店舗から4店舗へと倍増させるサポートにもつながっています。
某企業の事例からわかるように、Asanaは単なるタスク管理ツールではなく、バックオフィス全体の業務フローを最適化し、組織のDXを加速させるプラットフォームです。
5. 導入ステップ&ポイントまとめ
Asana導入を成功させるためには、以下のステップを順序立てて進めることが重要です。各ステップでのポイントを押さえ、バックオフィスチーム全体で共通認識を持ちながら進行しましょう。
- ステップ1:現状分析&ゴール設定
現在の問い合わせフローと所要時間を可視化し、75%削減など具体的な数値目標を設定します。関係部署からヒアリングを行い、情報共有のボトルネックを洗い出しましょう。 - ステップ2:Asanaプロジェクト構築
「店舗問い合わせ管理」「FAQナレッジベース」など、用途別にプロジェクトを作成。カスタムフィールドやテンプレートを事前に整備し、チームメンバーが迷わず使えるようにします。 - ステップ3:自動化ルール設定
毎月の定例タスクや高優先度タスクの自動アサイン・期日設定ルールを構築。初期段階で代表的なルールを5〜10個登録し、自動化の効果を体感してもらいます。 - ステップ4:社内トレーニング&ローンチ
管理者向け、オペレーター向けにハンズオン研修を実施。マニュアルや動画コンテンツを用意し、いつでも参照できるFAQを整備して定着を促します。 - ステップ5:定着化&継続改善
月次レビューでKPI(対応時間、完了件数、自動化率など)をダッシュボードで共有。運用中に発生した新ルール要件を追加し、半年ごとにプロセスをブラッシュアップします。
これらのステップを踏むことで、導入初期から定着期までスムーズに移行し、Asanaを活用した小売バックオフィスのDXを確立できます。次章では、さらなる活用アイデアをご紹介します。
6. まとめ:DXを加速するAsana活用の次の一手
本記事では、小売業バックオフィスにおける問い合わせ対応や情報共有の課題を整理し、Asanaを使ったタスク化・自動化・ナレッジ共有の手法をご紹介しました。導入効果として、対応時間の大幅短縮や重複対応の解消、リソースの再配分による高付加価値業務へのシフトが実現可能です。
次のステップとしては、まずトライアル環境でテンプレートや自動化ルールを試し、社内のキーパーソンと成果を共有。半年後の定量KPI達成率を見据えながら、運用プロセスの継続的なブラッシュアップを行いましょう。

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