本記事では、Zendeskを導入済みで、年間数千件の問い合わせ対応を抱えるサポートチームの業務改善を検討中のマネージャー・リーダーの方に向けて、Asanaとの連携事例をご紹介します。

これまで日々のサポート業務を進める中で、私たちサポートチームは「対応の抜け漏れが起きてしまった…」「あのチケット対応、誰がどこまで進めていたのか分からない…」といった課題に直面していました。

特に、複数の部門にまたがる問い合わせの場合、情報の流れが断片的になりやすく、判断の遅れや場当たり的な対応につながることが少なくありませんでした。

また、マネージャーやリーダーの立場でも、チーム全体の動きが見えづらく、進捗の把握やフォローが後手に回ってしまうという課題を感じていました。

こうした状況を改善しチーム全体でスムーズに連携・対応できる体制をつくるために、ZendeskとAsanaを連携させたワークフローを取り入れました。

なぜAsanaとZendeskを連携するのか?

Zendeskは、お客様からの問い合わせを一元管理できる便利なツールです。一方、Asanaはプロジェクト管理やタスク進行をチームで共有するのに適しています。

問い合わせの中には、その場で完結せず、他の部門による対応が必要になるケースも少なくありません。そういった内容をAsana上でタスクとして整理しておくことで、次のようなメリットがあります。

  • 対応漏れの防止
  • やりとりの効率化
  • 進捗の可視化

実際の運用フロー

私たちのチームでは、Zendeskのマーケットプレイスから提供されているAsana連携アプリを活用しています。

具体的な運用対応フローは以下のとおりです。

  1. お客様からの問い合わせをZendeskで受け付ける。
  2. すべてのZendeskチケットに対してAsanaタスクを作成し、対応内容を整理・管理する。
  3. タスクにはZendeskチケットのリンクや添付されたファイルなどが自動添付される。
  4. 担当者がAsana上で対応を進め、疑問点や判断が必要な点があればチーム内で確認し、対応方針を共有する。
  5. 方針が固まり次第、Zendesk上でお客様への案内や回答を実施する。

特に便利なのは、ZendeskチケットのURLがAsanaタスクに自動で添付されることです。これにより、関連情報へのアクセスがスムーズになります。

💡運用ルールの明確化がカギ

ZendeskとAsanaの連携においては、情報の性質に応じて役割を分担することが重要です。 私たちのチームでは、Zendeskはお客様とのやり取りに特化した履歴管理ツールとして使用し、Asanaは社内の対応や進捗の管理を行う場として運用しています。 あえてAsanaに切り分けることで、マネージャーだけでなく他チームのメンバーも状況を把握しやすくなり、相談内容や対応方針が明確に共有されるようになっています。

簡単な設定手順

ZendeskとAsanaの連携は、Zendeskのマーケットプレイスから「Asana 」アプリをインストールし、Asanaアカウントと連携させることで始められます。主な設定の流れは以下のとおりです。

  1. ZendeskSupportアプリからマーケットプレイスへアクセスし「Asana」アプリをインストール。

            
  2. Asanaアカウントとの認証を行い、アクセスを許可。

  3. Zendeskのチケット画面にAsanaのウィジェットが表示され、タスク作成やプロジェクト・担当者の選択が可能に。

  4. タスク作成時に、チケット内容や添付ファイルが自動的に引き継がれるよう設定。

💡ここがポイント

Zendeskからタスクを作成する前に、あらかじめAsana側でチケット対応専用のプロジェクトを準備しておきます。プロジェクトに適切なセクション(対応中、お客様回答待ち、完了など)やカスタムフィールド(緊急対応フラグ、RMAフロー)やルールなどを設定しておくことで、運用の一貫性と見通しのよさが格段に高まります。

Asana上での情報共有とAI活用の工夫現

チケット対応の過程で、私たちはAsanaのタスク内コメント欄を積極的に活用しています。

たとえば、

  • 「この問題の切り分けとして以下を依頼してみた」
  • 「お客様環境での再現確認中、結果待ち」

といったメモを残すことで、やりとりの経緯をチーム内で共有しやすくなると同時に、対応ノウハウとして蓄積される仕組みにもなっています。

さらに一歩進めて、AIを使ったドラフト作成にも取り組んでいます。Asana AI Studioを活用し、タスク説明欄に記載された問い合わせ内容をもとに、社内Asanaプロジェクト内の情報を参照しながらドラフトを自動生成するという使い方です。

これにより、対応方針のたたき台を短時間で用意できるだけでなく、過去の事例や社内ナレッジをもとにした解決策の提案にもつながっており、より的確な判断とスピーディな対応が実現しつつあります。

導入してよかったこと

連携を取り入れてから、チーム内では次のような声が上がっています。

  •  打ち合わせ準備が効率化

以前は、お客様との打ち合わせ前にZoomチームチャットなどで状況を確認する必要があり、都度数十分の確認作業が発生していました。現在はAsanaタスク上の情報をもとに、Asana AIで概要を把握できるため、打ち合わせ準備にかかる時間が1/3分以下に短縮されました。

  • 即座に状況が把握できる

従来は、不明点があると担当者に個別で確認する必要があり、返答を待つ間に対応が滞ることもありました。Asanaでは判断履歴や関連タスクも一元管理されているため、対応のスピードと正確性が向上し、メンバー間の依存度も軽減しています。

  • 引継ぎの手間が大幅削減

以前は、休暇前に1時間程度の引継ぎミーティングを行っていましたが、Asana上に対応内容を残す運用に切り替えてからは、ミーティングなしでの引継ぎが可能に。結果として、月あたり4〜5時間の工数削減につながっています。

AsanaとZendeskをつなぐことで、お客様対応とタスク管理が一本化され、業務全体の見通しが良くなった実感があります。

おわりに

AsanaとZendeskの連携は、ツール同士を繋ぐだけでなく、サポート業務の質とスピードを向上させる仕組みとして機能しています。今後も、さらにAsana自動化やAI機能をフル活用しながら、チーム全体でよりスムーズな運用を目指していきたいと考えています。

また、私たちが日々の業務の中でどのようにAsanaを活用し、ナレッジを共有しているかについては、次の記事で詳しく紹介しています。

サポートチームでのAsanaのユースケース|Asana×双日テックイノベーション

「ツール導入」だけでなく、「チーム文化づくり」まで踏み込んだ実践事例として、参考にしていただければ幸いです。

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