
導入事例紹介
企業名:広島県福山市
広島県福山市では、生産性向上と市民サービス向上のためのメソッドとしてプロジェクトマネジメントの手法を全庁に導入しており、これを推進、実践するためのツールとしてAsanaを導入しました。まずは、小規模導入からスタートし、双日テックイノベーションの支援を得ながら徐々に多様な業務や部署へと展開範囲を広げていき、現在では約3,000人もの職員が日々Asanaを使いながら業務効率の改善と市民サービス向上にまい進しています。
【CORPORATE DATA】
市役所所在地:広島県福山市東桜町3番5号
URL:https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/
3,000人の職員によるAsanaの利用で
業務効率化と市民サービス向上を果たした福山市
●縦割り組織の連携不足を解消する、プロジェクトマネジメントという文化
広島県東部に位置し、備後圏域の経済・文化の中心を担う中核市として発展を遂げてきた福山市。
検討を開始した当時2021年には、将来目指すべき都市づくりのビジョンを「福山みらい創造ビジョン」として取りまとめ、「新型コロナウイルス感染症対策の強化」「都市魅力の創造」「人口減少対策の強化」の3つの柱を軸に、各種行政施策を強化していました。
この3本柱を支える重要な基盤として、「社会のデジタル化の推進」を掲げ、その実現に向けて、同市は、産業・地域・行政のそれぞれの分野におけるデジタル化施策を戦略的に推進(2024年度末までを期間とした「福山市デジタル化実行計画」による。)してきました。その中でも行政分野については、現在も引き続き、市役所全体を挙げてDXを強力に推進しており、デジタル活用による業務変革と生産性向上、さらにはそれに伴う市民サービスの向上を目指しています。

藤井 康弘 様
そうした活動の一つとして、庁内業務にプロジェクトマネジメントの手法を全面的に導入し、効率的かつ、効果的な業務遂行を目指す取り組みがあります。2021年にこの取り組みを始めた背景について、福山市 総務局長 藤井康弘氏は、次のように説明します。
「行政組織の内部は多数の部署に分かれていますが、異なる部署同士が連携して一つの業務に当たることがよくあります。そんな時、進捗や課題などに関する情報を部署間でタイムリーに共有できず、仕事がスムーズに運ばないことも度々ありました。そのような課題を解決するには、プロジェクトマネジメントの手法が有効であると考え、全庁規模で導入することにしました。」
特に大規模なイベントの開催など、多くの部署や外部の業者が関わるプロジェクトを遂行するような場合、各ステークホルダーの間でタイムリーに情報の共有やボトルネックになっている事項の相談ができないがために意思疎通に支障を来たす場面も多く、多くの職員が以前から課題を感じていたといいます。
また同市 総務局 総務部 ICT推進課長 喜多村秀樹氏によれば、行政組織特有の「階層の深さ」も意思決定の遅れにつながることがあり、これを解決する上でもプロジェクトマネジメントの導入が有効だと考えられたといいます。
「現場担当者から監督職、管理職、課長、部長、局長、副市長と、階層を上に辿りながら報告を上げるために多くの労力が費やされており、最終的な意思決定が下されるまでに多くのプロセスと時間を要していました。そこでプロジェクトマネジメントの手法を採り入れて、情報が全てのステークホルダー間でリアルタイムに共有されるようになれば、庁内コミュニケーションのボトルネックを解消できるのではないかと考えました。」
●ワークマネジメントツールとして「Asana」を採用

総務部 ICT 推進課長
喜多村 秀樹 様
プロジェクトマネジメントの手法を庁内に定着させるためには、これを実践するためのプロジェクト管理ツールの導入が不可欠だと考えられました。また、単にツールを導入するだけでは、その利用が現場の職員の間できちんと定着するとは限りません。そのため、ツールの導入とともに、その定着を支援してくれるベンダーのサポートも欠かせないと判断されました。
そこで、同市が必要とするプロジェクト管理ツールの機能と、その導入や定着、運用を支援してくれる、ベンダーに求める要件を取りまとめ、競争入札を実施されました。その中から最終的に落札に至ったのが、プロジェクト管理にとどまらず仕事全般を包括的に管理できるワークマネジメントツール 「Asana」を採用した双日テックイノベーションの提案でした。
Asanaの魅力について、喜多村氏は次のように話します。
「私たちが目指していたのは、組織全体の仕事を可視化し、全体戦略と現場業務の間を結び付けることでした。これをチャットツールで実現しようとすると、情報がその場ですぐに流れていってしまい、後からどこで連絡をもらっていたかを探す作業が発生します。一方でExcelのような仕組みであれば情報はストックできるものの、誰がいつ更新した情報なのかが不明瞭になり、今度はリアルタイム性が損なわれてしまいます。その点Asanaは情報のストックとフローを両立できるため、私たちの要求に合致していると考えました。」
●段階的な導入を支えた「実践知」に基づくSTech Iの定着支援
また、双日テックイノベーションがAsanaの導入支援パートナーとなったことも、その後の同製品の導入・展開において大いにプラスに働いたといいます。

「自社で1,000人規模のAsanaを導入・運用しているという『実践知』を持たれており、製品を売って終わりではなく、私たちがツールを導入して直面するであろう『職員にどう使ってもらうか』という泥臭い課題に対して、『働き方をどう変えるか』という視点で具体的な提案をいただけました。こうしたことから、『このパートナーとなら必ず成功できる』という確信を持つことができました。」(喜多村氏)
同市では、最終的にはAsanaを全庁に導入し、全ての職員に「誰が、なにを、いつまでに」と言ったプロジェクトマネジメントのマインドを浸透させることを目指していました。しかし、実際の導入プロセスにおいては、まずは、限定された範囲で小規模に導入し、その導入効果を見ながら徐々に導入範囲を広げていくスモールスタートの手法をとりました。2022年度、まず手始めに60ライセンスを導入してトライアル運用を始め、その後段階的に適用範囲を広げていきましたが、その過程では苦労もあったといいます。
「やはり職員の中には、長年慣れ親しんだ仕事のやり方を変えることに抵抗を感じる人もいるため、全職員にAsanaを使った新たな働き方を浸透させるのは苦労しましたし、今もまだ道半ばです。しかし、全職員を対象としたプロジェクトマネジメント研修の実施や、双日テックイノベーションさんに訪問いただいて職員に直接オンボーディングをしていただくといった活用推進のサポートを得ながら、泥臭いボトムアップの普及活動を粘り強く続けてきました。標準的な説明会だけではなく、実際に自社の幅広い業務の知見を活かした個別フォローアップの実施などの支援も受けました。それと同時に、CIOも務める副市長が自らAsanaを積極的に使い、トップダウンでその有効性を全庁にアナウンスするなど、ボトムアップとトップダウンの両面からAsanaの有効性を訴求してきた結果、現在では約3,000人の職員がAsanaを利用するまでに至っています。」(藤井氏)
●国際会議の成功を支えたリアルタイムな情報共有基盤

企画政策部 デジタル化担当部長兼総務部参与
(デジタル化担当)
大本 貴淑 様
こうしたAsanaを使ったプロジェクトマネジメントが大きな効果を発揮した事業の一つに、2025年5月に福山市で開催された「第20回 世界バラ会議福山大会 2025」があります。同大会は、大規模な国際会議で、福山市は、その開催準備に7年の歳月を費やしましたが、準備作業の責任者を務めた同市 企画財政局 企画政策部 デジタル化担当部長兼総務部参与(デジタル化担当) 大本貴淑氏によれば、Asanaはプロジェクトをスムーズに進める上で実に大きな役割を果たしたといいます。
「世界バラ会議の準備や運営には、庁内の数多くの部署が関わっているほか、外部の委託業者やさまざまな関係団体の協力も得ています。庁内外にこれだけ多数のステークホルダーがいる中で、互いに仕事の進捗や課題をタイムリーかつ正確に共有するのは決して容易くありませんが、Asanaを導入した後は、ステークホルダー間でのプロジェクトの進捗や課題を共有、管理できる仕組みが一気に進み、互いに共通認識を持ちながら業務をスムーズに進められるようになりました。」
なお、同会議が閉幕した後、大本氏は現在の部署に異動されましたが、その際の業務引継ぎにおいてもAsanaが大いに役立ったといいます。
「世界バラ会議のプロジェクトには、最後の2年間だけ携わったのですが、Asanaでそれまでの仕事の経緯や現時点での課題に関する情報がまとめられていたので、Asanaを見るだけで素早く現状と課題を把握して適切に指示を出せました。また、今の部署に異動してきた際も、やはりAsanaを見て業務の現状を素早く把握できたので、都度、課長にヒアリングする必要もなく、スムーズに業務を引き継ぐことができました。」
●業務管理の実感が30%向上、職員の仕事に対する意識にも大きな変化
こうした業務効率化の効果は、現在、様々な部署で現れ始めているといいます。これまで役職の階層を一つ一つ辿りながら行われていた報告業務も、皆がAsanaに情報を一元的に集めて共有するようになったことで大幅に効率化されました。また、こうして情報の共有が広く行われるようになったことで、職員間や関係者間でのコミュニケーションが自然と活発化し、自ら情報を発信するなど、新たな改善提案を積極的に行う文化が醸成されつつあるといいます。
「過去に職員を対象に実施したアンケートでは、『自分の業務を管理できている』と回答した職員の割合がAsana導入後に30%増加したという結果が出ており、職員の仕事に対する意識が大きく変わったことが伺えます。当初は、プロジェクト管理ツールとして導入したAsanaですが、2025年度からはその位置付けを『業務管理ツール』と改め、自身の業務を変革するためのツールとして、より多くの職員に使いこなしてもらえるよう普及活動を続けています。」(喜多村氏)

Asanaは、管理画面にてユーザーの利用状況やパフォーマンスを数値化して確認することができます。こうした意識変革の広がりは、Asanaの活用度が高い「チャンピオンユーザー」の推移にも表れています。チームをリードしながらAsanaを使いこなすパワーユーザーの数は、2022年度の40名から2025年11月末時点で1,082名へと約27倍に増加。当初は一部の推進メンバーに限られていた積極的な活用が、3年余りで組織全体へと着実に浸透していることが分かります。
●Asana導入でより多くの時間を市民サービス向上のための仕事に
なお、藤井氏は、Asanaを中核に据えたプロジェクトマネジメントや業務改革の最大の効果として、「市民サービスの向上」を挙げます。
「情報共有やコミュニケーションが活発化したことで業務が効率化され、職員が市民サービスの企画や提供の仕事に、より多くの時間を割けるようになりました。また、世界バラ会議の例のように、外部のさまざまなステークホルダーの方々と密接に情報のやりとりができるようになったことで、市民の方々のニーズを素早く汲み取って行政サービスに反映できるようになったと思います。」

こうした効果は、定量的に測るのが難しいものの、既に多くの職員が成果を確実に実感しているため、「今後もAsanaをさらに活用していくことで、限られた時間と予算、人的リソースの中で、より付加価値の高い市民サービスを提供していきたいと考えています。」と藤井氏は抱負を述べる。
また、今後、少子高齢化がさらに進み、市役所の人材確保もますます難しくなることが予想される中、同市ではAIを積極活用することによる生産性向上を目指しています。そのため、今後は、AsanaのAI機能も積極的に活用し、さらなる業務効率化を図っていきたいと大本氏は話します。
「既にAsanaが搭載するAI機能を使って、プロジェクトの進捗状況を自動的に要約してまとめるなど、さまざまな形でAIの活用を進めています。今後は、AsanaのAI機能をさらに有効活用して生産性を上げ、職員の数が限られる中でも市民サービスの質を着実に維持・向上させていきたいと考えています。この分野においても、双日テックイノベーションさんは、豊富な知見と実践知をお持ちだと思いますので、ぜひこれまでどおり充実したご支援をお願いできればと思います。」
60名のスモールスタートから全庁3,000名への展開へ──Asanaの柔軟な拡張性は、現場に根づく運用と全庁的なDX方針の両立を可能にし、デジタル化を”一過性の施策”から”日常の文化”へと変えつつあります。同市が次に目指すのは、「自分の業務を管理できる」ことを市役所の当たり前にすること。AIによる進捗要約などで入力の手間を減らしながら、職員一人一人がより多くの時間を市民と向き合う仕事に充てられる組織へ。Asanaはその実現を支える基盤として、これからも進化を続けていきます。
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