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今さら聞けない「クラウドPBX」とは? 図解でわかるオンプレPBXとの違いと選び方

2025/08/05

クラウドPBXとは?

「クラウドPBXってよく聞くけど、何のこと?」「今使っている電話と何が違うの?」——そんな疑問をお持ちの方も多いかもしれません。まずはシンプルに結論からお伝えします。

クラウドPBXとは、インターネット経由で使えるビジネス用の電話システムです。これまでオフィスに物理的な電話交換機(PBX)を設置していたのに対し、クラウドPBXではその機能をクラウド上で提供します。専用の装置を置く必要がなく、パソコンやスマートフォンから会社の電話番号で発着信ができる仕組みです。

この「クラウドPBX」と対になるのが、従来の「オンプレミスPBX」。こちらはオフィス内に電話交換機を設置し、電話回線や内線を管理するスタイルです。導入時には機器の設置や工事が必要で、オフィスの移転やレイアウト変更にも手間がかかります。

一方で、クラウドPBXは物理機器を必要とせず、インターネット環境さえあればどこでも利用可能。オフィスだけでなく、自宅や出張先からでも、スマホやPCを使って会社の番号で電話をかけることができます。

テレワークの拡大やフリーアドレスの導入、災害対策(BCP)への関心が高まるなか、クラウドPBXを検討する企業が増えているのも納得です。

次のセクションでは、「クラウドPBXとオンプレミスPBXの仕組みの違い」を、図解を交えてわかりやすく解説します。

クラウドPBXとオンプレミスPBXの“仕組みの違い”を図解で解説

「PBXってそもそも何?」という方も多いはず。PBXとは「構内交換機(Private Branch Exchange)」の略で、会社の代表番号や内線・外線を制御する装置のこと。電話の司令塔のような役割を果たしており、社員同士の内線通話や、外部との通話を管理しています。

従来のPBXは、オフィスのサーバールームなどに物理的に設置されるタイプが主流でした。これがいわゆる「オンプレミスPBX」です。電話線や交換機などのハードウェアを企業自身が保有・管理し、内線配線や外線の割り当てなども手作業で行っていました。

一方、「クラウドPBX」はこのPBXの機能をクラウド上で提供するサービス。物理的なPBX装置は不要で、インターネット回線を通じて、仮想的なPBX機能を利用します。電話機やスマートフォン、PCなど、デバイスに専用アプリをインストールするだけで、会社の電話機能が利用可能になります。

ここで、両者の構造の違いをわかりやすく図で確認してみましょう。

オンプレミスPBXの特徴

  • オフィス内にPBX機器を設置
  • 物理的な電話線・配線工事が必要
  • 電話機ごとに固定席が必要(レイアウト変更しづらい)
  • メンテナンスやトラブル対応は自社または業者任せ
  • オフィスにいないと会社の番号で発信できない

クラウドPBXの特徴

  • PBX機能はすべてクラウド上にあり、機器不要
  • インターネット環境があればどこでも発着信可能
  • スマホやPCが電話端末代わりになる
  • オフィスのレイアウト変更や移転が容易
  • 管理画面での設定変更が簡単、スピーディ

このように、PBXの「置き場所」が変わるだけで、運用面やコスト、働き方に与える影響は大きく異なります。クラウドPBXは、物理的な制約から解放されることで、柔軟な働き方を支える基盤として注目されています。

次のセクションでは、さらに踏み込んで「クラウドPBXとオンプレPBXの違いを、コスト・機能・使い勝手の観点から徹底比較」していきます。

クラウドPBX vs オンプレPBX 徹底比較|コスト・機能・使い勝手の違いとは

前のセクションでは、クラウドPBXとオンプレミスPBXの「構造の違い」をご紹介しました。ここではさらに踏み込んで、導入・運用に関わる3つの重要な視点「コスト」「機能」「使い勝手」に着目し、両者の違いを徹底比較していきます。

項目 クラウドPBX オンプレPBX
コスト 初期費用を抑えやすい 設備購入などの負担大
機能 最新機能を利用可能 機能追加・更新が大変
使いやすさ 場所を問わず利用可 固定電話のみ利用可

1. コスト面の違い

オンプレPBXは、初期費用が高額になりがちです。PBX機器本体に加え、電話線の配線工事、設置・設定作業など、導入時に数百万円規模の費用がかかるケースもあります。さらに、保守契約や故障時の交換対応など、継続的なコストも発生します。

一方、クラウドPBXは初期投資が抑えられ、月額課金型で導入可能。サーバーや機器の保守が不要で、通話料金も社内通話であれば無料になることが一般的です。全体的に「固定費→変動費」に変わる点も予算管理上のメリットです。

2. 機能・柔軟性の違い

オンプレPBXは、特定のハードウェアや電話機との連携を前提としているため、機能追加や設定変更には業者対応が必要になることが多く、即時性に欠ける傾向があります。また、外出先や在宅勤務での利用には不向きです。

クラウドPBXは、スマートフォンやPCといった一般的なデバイスで利用可能。通話転送、音声ガイダンス、IVR(自動応答)、録音、内線管理などの機能も、すべてWeb管理画面から設定可能です。変更・拡張のしやすさも大きな魅力です。

3. 使い勝手・働き方への影響

オンプレPBXでは、社員がオフィスに出社し、固定の席で固定の電話機を使う運用が基本です。フリーアドレス化やテレワークなど、柔軟な働き方への対応が難しくなります。

クラウドPBXなら、社員はどこにいても代表番号で発信・着信が可能。ハイブリッドワークやフリーアドレス制にも対応でき、近年の「働き方改革」にもフィットした運用が可能になります。

このように、クラウドPBXは「コスト」「機能」「柔軟性」すべての面で、これからの働き方に適した電話基盤であるといえます。ただし、インターネット回線への依存や、セキュリティ面の考慮も必要です。次のセクションでは、クラウドPBXの「メリット」と「デメリット」をより中立的な視点で整理していきます。

クラウドPBXのメリットとデメリットを中立的に解説

ここまで、クラウドPBXとオンプレPBXの仕組みやコスト・機能の違いを見てきました。では、クラウドPBXを導入することで、実際にどんなメリットがあるのか、また注意すべき点(デメリット)は何か——公平な視点で整理してみましょう。

クラウドPBXの主なメリット

  • 1. 場所に縛られない柔軟な働き方を実現
    オフィスでも自宅でも、スマートフォンやPCから代表番号で通話可能。テレワークやフリーアドレスとの相性も抜群です。
  • 2. 初期費用が抑えられ、導入しやすい
    専用機器や電話工事が不要なため、初期コストを大幅に削減できます。中小企業やスタートアップにも導入しやすいのが特長です。
  • 3. 拠点追加や人員変動にも柔軟に対応
    オンラインで内線追加・削除が可能。新拠点の立ち上げや人事異動のたびに、回線工事や電話機の買い替えは不要です。
  • 4. メンテナンス・更新が不要
    機器の故障対応やソフトウェアの更新はベンダー側で完結。情シスや総務の負担を軽減できます。
  • 5. 通話録音や着信フローなどの高度な機能も
    通話の録音、IVR(自動応答)、時間外ルール設定、複数端末着信など、従来のPBXでは難しかった高度な機能も標準搭載されています。

クラウドPBXのデメリット・注意点

  • 1. インターネット回線への依存
    通話はインターネットを介して行われるため、通信環境が不安定だと音質の劣化や通話切断のリスクがあります。安定したネットワーク環境の整備が前提になります。
  • 2. 電話番号の移行に時間がかかるケースも
    現在使っている03や06番号をそのまま使いたい場合、番号ポータビリティに手続きや時間がかかる可能性があります。導入時にはスケジュールの余裕を持つことが大切です。
  • 3. セキュリティと管理体制の整備が必要
    社内の利用ルールを明確にし、アカウント管理・アクセス制限・通話履歴の管理などを適切に行わなければ、情報漏洩リスクが高まる可能性があります。

このように、クラウドPBXには多くの利点がある一方で、インフラ環境や社内運用ルールの整備といった課題も存在します。導入にあたっては、メリットだけでなくデメリットもきちんと理解した上で、自社にとって本当に適した選択肢かを判断することが重要です。

なぜ今、クラウドPBXが選ばれているのか? 〜専門家コラム〜

これまで「クラウドPBX」という言葉は、大企業や先進的なIT企業のものと思われがちでした。しかし最近では、従業員数十名規模の企業や、従来型の業種(たとえば製造業や不動産業)でも、クラウドPBXの導入が急速に進んでいます。その背景には、単なるコスト削減以上の“働き方の再設計”という観点があります。

多くの企業が直面しているのは、テレワーク・出社・現場勤務が混在する「ハイブリッドワーク」への対応です。従来のオンプレPBXでは、社内にいない社員が電話を受け取れない、転送設定が複雑、外線発信に制限があるなど、柔軟な運用が難しくなっています。

この課題を根本から解決できるのが、クラウドPBXです。社内外・在宅・外出先にかかわらず、社員がどこにいても同じ代表番号で受発信できることで、電話対応のストレスが大きく減ります。また、通話履歴や録音、着信フローの設定などをクラウド上で一元管理できるため、総務・情シス部門の業務負担も軽減されます。

特に、中堅・中小企業にとっては「電話対応の属人化を解消したい」「フリーアドレス化を進めたい」といった目的で導入されるケースが増えています。電話の仕組みを変えることは、働き方そのものを変えるきっかけにもなります。導入企業の多くが「もっと早く切り替えていればよかった」と語るのは、その効果の大きさゆえでしょう。

自社に合うのはクラウドPBX?オンプレPBX?かんたん診断チャート

「クラウドPBXが便利なのはわかったけど、うちの会社には合ってるのかな?」という読者のために、選び方のヒントとなる簡易診断チャートをご用意しました。以下の項目にいくつ当てはまるか、チェックしてみてください。

  • テレワークや外出先からの通話・着信を増やしたい
  • フリーアドレスや在宅勤務に対応できる電話環境を整えたい
  • 電話応対の属人化(特定の人に集中)を解消したい
  • 拠点ごとに異なる電話システムを統一したい
  • 電話の利用状況や履歴を管理・可視化したい
  • PBX設備の保守・故障対応に手間がかかっている

3つ以上当てはまる場合は、クラウドPBXの導入を前向きに検討する価値があります。次のセクションでは、導入検討中の企業向けに「なんでも相談会」や「ガイド資料」のご案内をご紹介します。

まとめ:自社に合ったPBX選びを、プロに相談してみませんか?

クラウドPBXとは、インターネット経由で利用できる柔軟性の高い電話システムであり、従来のオンプレミスPBXと比較して、コスト・機能・働き方の面でさまざまな違いがあります。どちらが最適かは、企業の規模や業務スタイルによって異なります。

もし今、「今後の電話環境をどうすべきか」「移行のタイミングがわからない」と感じている方は、まずはプロに相談してみてはいかがでしょうか?当社では、クラウドPBXの導入可否や最適な構成を無料でご相談いただける機会をご用意しています。

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この記事を書いた人

黒岩 彩

  • 顧客満足度 No.1
  • Fortune 500の58%が利用

※Fortune 500:全米上位500社がその総収入に基づき
米フォーチューン誌によりランキング付けされる

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