Zoom Phone(クラウドPBX)で解決できる課題とは?
2024/11/28
働き方改革やDXの普及で「電話」の目的や使い方を見直す動きがあります。多くの組織では電話の運用を外注化しており、コスト面での負担化もあることから、近年では電話システムそのものの抜本的な見直しを進める企業も増えています。
このような背景も踏まえ、この記事では従来のオンプレミス型の電話システムとクラウドPBXサービス「Zoom Phone」との違いや、Zoom Phoneにより解決できる課題について解説します。
従来の電話システムの課題
オフィスなどで従来型の電話システムを利用されている方は、以下のような課題を感じられている方も多いのではないでしょうか。
専門知識が求められる
従来の電話は、運用を行うために高度な専門知識が必要です。電話回線の設定やトラブルシューティングには、専門の技術者が対応する必要があります。このため、システムの維持管理には時間とコストがかかりがちです。
特に、中小企業においては知識を持った技術者を社員として雇用することが難しく、通信事業者やベンダーなど外部企業に作業を依頼して対応しているという企業も多いかと思います。
組織・オフィスレイアウトへの変更対応が必要
従来の電話システムは、社内のレイアウト変更や組織の再編成に対応するために頻繁に設定変更を行う必要があります。たとえば、オフィスのレイアウトを変更する際には各デスクの配線を再度調整し、各部署の変更に対応するための設定変更を行わなければなりません。これには大きな労力と時間、コストがかかります。
テレワークへの対応が難しい
テレワークの普及に伴い、これまで利用してきた電話システムでは対応が難しくなっている企業も多いのではないでしょうか。従来の固定電話は、オフィス外から利用することはできません。別途携帯電話などを契約するにも、コストがかかります。
このように、固定電話ではテレワークに対応できないという問題が生じてしまいます。
課題を解決するためにはクラウドPBXの活用が有効
このような課題を解決するための選択肢として有効なのがクラウドPBXです。クラウドPBXとはどのような仕組みなのでしょうか。
クラウドPBXとは?
クラウドPBXは、従来のオンプレミスPBXとは異なり、インターネットを利用して電話システムをクラウド上で利用することができる仕組みです。クラウドPBXを利用することで、物理的な機器の設置や維持管理が不要となり、コスト削減や管理の効率化が図れます。さらに、クラウドPBXはどこからでもアクセス可能なため、テレワーク時や外出時にも内線電話などの電話環境を利用することができます。
クラウドPBX活用においてはセキュリティに注意
このようにメリットの多いクラウドPBXですが、導入にあたってはセキュリティ面に注意する必要があります。クラウドPBXの主なセキュリティリスクとして、データの盗聴、システムへの不正アクセス、そしてサービス中断などが挙げられます。これらのリスクに対処するためには、以下の対策がポイントです。
〇通信の暗号化
インターネット経由で通信を行うクラウドPBXですが、通信内容を暗号化することでデータの盗聴リスクを抑えることができます。一般的なクラウドPBXであれば通信の暗号化に対応しているはずですが、クラウドPBX導入時には念のため暗号化機能の有無を確認しておきましょう。
〇認証機能の導入
クラウドPBXではブラウザ上で各種設定を行うことになりますので、権限を持った方のみが操作を行えるように認証機能を設ける必要があります。一般的なID・パスワード認証に加え、多要素認証やワンタイムパスワードなど強固な認証機能を備えているか確認しましょう。
〇障害・災害に備えた事業者側の対応
電話は緊急時に最も重要なインフラとなります。クラウドPBXの利用にあたっては、サービス提供事業者がどのように障害対策や災害対策を行っているかを確認しておくべきです。定期的なソフトウェアの更新や脆弱性の監視は行われているかなど、事業者の取り組みをチェックしましょう。
クラウドPBXである「Zoom Phone」で何ができるのか
クラウドPBXの導入にあたっては、ミーティングツールとして有名であるZoomが提供する「Zoom Phone」がおすすめです。
Zoom Phoneでは回線や電話機器の導入はもちろんのこと、代表番号や内線、転送といった組織に求められる電話機能を丸ごとクラウドサービスとして提供されます。Zoom Phoneを利用することで、手軽に自社の電話環境をクラウド化することができます。
Zoom Phoneの主な機能
Zoom Phoneの主な機能は以下のとおりです。一般的なクラウドPBXに備わっている機能の他、モニタリングやプレゼンス確認、ビジネスアプリケーションとの連携といった高度な機能までそろっており、用途に応じて活用可能できます。
項目 |
機能概要 |
内線通話 |
Zoom Phone同士で通話を行う |
外線通話 |
社外の電話との通話を行う |
通話転送・保留 |
内線・外線の保留・転送を行う |
自動転送 |
受電した電話を自動で他の番号に転送する |
ボイスメール(留守番電話) |
着信時に不在であった場合に、あらかじめ登録しておいた音声メッセージで対応する |
コール レコーディング(通話録音) |
クラウド上に通話の録音データを保存する |
着信拒否 |
特定の電話番号からの受電を拒否する |
代理通話 |
他のユーザーの電話機を割り当て、自分に代わって通話の応答や発信を行う |
モニタリング(通話の監視) |
外線通話の通話内容を第三者が確認することができる |
プレゼンス(在席確認) |
各ユーザーの在席状況を確認できる |
共有回線 |
管理者がグループや共用エリア電話機と電話番号や内線を共有できる機能 |
ビジネスアプリケーション連携 |
SalesforceやHubSpotなどのアプリケーションと連携できる機能 |
Zoom Meetingsとのシームレスな運携 |
電話からZoom Meetingへ移行することも可能 |
Zoom Phoneのコスト
Zoom Phoneには無料で利用できる基本的なプランから、エンタープライズ向けプランまで、さまざまなプランが用意されています。従量課金のプランのほか、一定条件で通話料が定額になるプランも用意されており、ニーズに合わせた選択が可能です。定額にすることによって設備や保証、保守だけでなく、通話料の予算も計算しやすくなるというメリットもあります。 Zoom Phoneのプランについては以下の記事で詳しく解説しておりますので、併せてご覧ください。
※関連記事:Zoomのプランを徹底解説!最適なプランの選び方
https://collab.sojitz-ti.com/blog/feature/zoom-one-plan.html
Zoom Phoneは柔軟に拡張可能
Zoom Phoneを採用することで、クラウドのメリットである拡張性を享受することができます。小規模の利用からスタートし、将来的に利用を拡大していきたい場合にも柔軟に対応可能です。 Zoom Phoneでは、ブラウザ上で操作できる管理画面から簡単に電話を利用したいユーザーを追加したり、設定を変更したりすることができます。非常に分かりやすい画面が用意されているため、電話に詳しくない担当者でも、番号追加や組織変更に伴う番号変更などの設定が可能です。
Zoom Phoneで解決できる課題
Zoom Phoneを導入することで、どのような課題を解決できるのでしょうか。以下では、具体的な課題解決ケースについてご紹介します。
外出時の利用やテレワークの実現
固定電話の課題であった外出時の利用やテレワークの対応も、Zoom Phoneなら実現できます。 多くの方が、営業活動などで外出した際や在宅時に、外線・内線を取れないという経験をされているはずです。Zoom Phoneの導入により、電話環境を大きく変えることなく、外出中でも代表番号や部門番号で電話を受けたり、オフィスにいるのと同じ感覚で内線を利用して連絡したりできるようになります。 その他、BCP対策にもZoom Phoneの導入が有効です。たとえ災害時であったとしても、インターネットさえつながれば連絡を取ることができます。
PBXのリプレイスをなくす
Zoom Phoneは、従来のPBXや回線も含め、クラウド上ですべての電話の機能を提供するフルクラウドのサービスです。Zoom Phoneの導入により、定期的なリプレイス作業から解放され、設備の維持管理にかかる費用と手間を削減することができます。 これまでオンプレミスのPBXを利用されてきた企業においては、一定期間ごとに設備のリプレイス作業が発生しているかと思います。古いPBXの交換時期が迫っていたり、データセンターに移設したものの管理の手間に悩んでいたりと、ハードウェア、ソフトウェアを問わず、PBXを所有し続けることが組織の負担になるケースも珍しくありません。知らないところで高額な費用と管理の手間が発生しているというケースもよくあります。 オンプレミスのPBXのこのようなデメリットを踏まえ、PBXのリプレイスのタイミングで、Zoom Phoneへと移行してもよいでしょう。
音声コミュニケーションの見直し
チャットやビデオ会議を使い慣れたユーザーは、電話の機能面や品質面に良い印象を持たず、電話の利用頻度が下がる傾向にあります。電話機能だけの仕組みではなく、チャットやビデオ会議システムなどと一体化した「コミュニケーションツール」として活用してもらえるように、従業員の方に向けて環境を提供していく必要があるでしょう。 さまざまな機能が一つのプラットフォームになっているZoom Phoneは、このようなコミュニケーションツールとしての活用が可能です。Zoom Phoneにより、共通のコミュニケーション基盤として従業員の方の満足度を高められます。
まとめ
この記事では、クラウドPBXの概要と、代表的なクラウドPBXであるZoom Phoneについて解説しました。
昔から使っていた電話をそのまま使い続けるのではなく、働き方や使い勝手などの面も考慮しつつ、より効率的に利用できる仕組みを用意することが重要です。単なる電話ではなく、クラウドサービスとして、さまざまな機能と融合した新しいコミュニケーション手段として活用していくことがポイントといえるでしょう。 Zoom Phoneについてより詳しく知りたい方は、以下のブログ記事もおすすめです。ぜひ併せてご覧ください。
※関連記事:Zoom Phone(クラウドPBX)の基本的な使い方を解説
https://collab.sojitz-ti.com/blog/uncategorised/zoom-phone0features-for-administrators.html
※関連記事:Zoom Phone(クラウドPBX)の管理者向け機能について詳しく紹介
https://collab.sojitz-ti.com/blog/uncategorised/zoom-phone0features-for-administrators.html