クラウド電話「Zoom Phone」とは? 導入メリットや機能、ライセンス体系を徹底解説!
2022/11/13
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テレワークの拡大を背景に、自社の電話環境を見直す必要性を感じられている方も多いのではないでしょうか?テレワークに対応するためには、自宅や外出先、リモートオフィスなど、どこにいても電話環境を利用できるように整備していく必要があります。
このような状況の中、勢いがあるクラウド型電話サービスとして注目されているのがZoom Phoneです。しかしながら、Web会議ツールとしてのZoomは聞いたことがあるけれども、電話サービスとしてのZoom Phoneについては詳しく知らないという方も多いではないでしょうか。
そこでこの記事では、Zoom Phoneの概要や基本的な機能に加え、ライセンス体系や構成など、Zoom Phoneの全体像が分かる情報をお伝えします。
目次
クラウド電話 Zoom Phoneとは
クラウド型電話サービス「Zoom Phone」とはどのようなサービスなのでしょうか。まずは、その概要について解説します。
Zoom Phoneの概要と特徴
Zoom Phoneとは、Web会議ツールとして知られているZoomと同じプラットフォームを使用した、企業向けのクラウド型電話サービスです。
従来、ビジネスで利用する電話環境を整備するためには、自社内にPBX(Private branch exchange:構内交換機)や据え置きの電話端末などを設置する必要がありました。一方で、Zoom Phoneは、クラウド上でPBXなどの電話サービスが提供されます。これにより、PBXを設置しなくても電話環境を構築できるほか、テレワークへ対応しやすい点や、管理が容易になる点など様々なメリットを得ることができます。特に、コロナ禍を背景としたテレワークの拡大に対応するために、企業の電話環境は変化を求められています。Zoom Phoneは、テレワークの実現における有効な選択肢となるでしょう。
さらに、Zoom PhoneはWeb会議ツールであるZoom Meetingsをベースとしていることから、Zoomとの連動性がよい点も特徴です。使い慣れたZoomのアプリから電話をかけたり、電話からWeb会議にワンクリックでシームレスに移行したりすることができます。
Zoom Phoneは、クラウド型の電話サービスでありながら03や06などから始まる、いわゆる「0ABJ型番号」と呼ばれる地域番号にも対応している点もポイントです※。ビジネスシーンにおいては、主にIP電話で利用される050番号ではなく、地域番号を利用したいというニーズも高いと思われます。地域番号に対応しているZoom Phoneは有力な選択肢となるでしょう。
※既存の固定電話で利用しているOABJ型番号を継続利用する場合、SBC(Session Border Controller)というゲートウェイを宅内に設置する必要となります。Zoom社認定のSBCの情報はこちらからご確認が出来ます。
従来の電話と比較した際のメリット
Zoom Phoneは、従来の電話と比較してどのような点が優れているのでしょうか。ここでは、ユーザー目線と管理者目線のそれぞれで紹介します。
まず、ユーザー目線で最も大きなメリットは、どこにいても電話の発着信が可能になる点といえるでしょう。従来のビジネス用電話は、基本的にオフィス内でしか利用できませんでした。よって、内線通話や外線の転送を行う際には、通話や転送をする相手もオフィス内にいる必要がありました。このような制約は、テレワークが一般化した現代においては非常に不便です。Zoom Phoneを利用することで、ネットワーク環境さえあればどこにいても内線や外線が可能となります。
一方で、管理者目線でもZoom Phoneには様々なメリットがあります。まずは、固定電話はもちろんのこと、スマホやPCなど幅広いデバイスに対応している点です。これにより、従業員には多様な働き方を提供しつつ、BYOD(Bring Your Own Device)を実施することによるコスト削減も可能です。さらに、運用面では従来の物理型PBXと比較して運用管理の負荷が低いこともメリットです。クラウド上でPBX機能が提供されるZoom Phoneであれば、PBXの保守や更新を行う必要はありません。
ユーザーのメリット
- どこでも固定電話の番号で発着信ができ、完全テレワークが可能に
- 通話中でもZoom のオンライン会議に切り替えられ、効率が上がる
電話管理者のメリット
- 電話運用・管理が楽になる
- 保守更新の手間がなくなりコスト削減できる
Zoom Phoneの基本機能
それでは、Zoom Phoneではどのような機能を利用できるのでしょうか。以下では「ユーザー向け」機能と「管理者向け」機能をそれぞれ紹介します。
ユーザー向け機能
ユーザー向けに用意されている主な機能は下表の通りです。当然ながら、内線や外線、保留、転送などビジネス用電話として必須となる基本機能は網羅しています。加えて、内線通話時にZoom Meetingsに切り替えて資料を共有しながら会話できる機能や、いったん着信に応答した後にスマホやPCなど別のデバイスに転送できるコールフリップなどの高度な機能も利用できます。
機能名 |
概要 |
想定される利用シーン |
内線通話 |
Zoom Phone同士で内線通話を行う |
・社内での通話 ・社内とテレワーク先や出張先での通話 |
外線通話 |
社外の電話との通話を行う |
・取引先から自社の電話番号宛てにかけられた電話に対応する |
保留・転送 |
内線・外線の保留・転送を行う |
・着信のあった外線を、いったん保留にしつつ、テレワーク先にいる担当者へ転送する |
モバイル・PCでの利用 |
発着信をスマートフォン、タブレット、PCで対応する |
・BYOD施策として、社員自身が保有するスマホを会社携帯として利用できるようにする |
Zoom Meetingsとの利用切り替え |
Zoom Phoneで受けた電話を、資料の共有などができるZoom Meetingsに切り替えた上で会話を継続する |
・内線電話中に、具体的な資料を確認しながら会話をしたいと考え、Zoom Meetingsに切り替える |
ボイスメール |
着信時に不在であった場合に、あらかじめ登録しておいた音声メッセージで対応する |
・あらかじめボイスメールを設定しておき、休暇時にも不在である旨を伝えられるようにしておく |
コールフリップ |
いったん着信に応答した後、スマホやPCなど別のデバイスに転送する |
・外出先で電話を受けたため、いったんスマホで応答したものの、詳細な内容を確認する必要があったため、PCで会話を継続する |
呼出しキュー |
着信を複数ユーザーに転送する。応答できない場合、相手にメッセージを流して待機頂いたり、順次着信を転送したりすることができる
|
・ヘルプデスクにおいて、着信を同時に複数の電話に転送しつつ、応答できない場合にはメッセージで対応する |
モニタリング・ウィスパリング |
外線通話の通話内容を第三者も聞くことができる(モニタリング)。また、その第三者は外線通話の相手には聞こえない形で社内担当者と会話することもできる(ウィスパリング) |
・コールセンターにおいて、トラブル発生時にSVなどの上司が会話内容を確認する。必要に応じて、オペレーターに助言を行う |
管理者向け機能
同様に、管理者向け機能についても紹介します。ユーザー管理などの必ず必要になる機能はもちろん、通話の品質状況を確認できるダッシュボード機能や、営業時間外対応に有効な自動応答機能なども利用することができます。
機能名 |
概要 |
想定される利用シーン |
ダッシュボード |
デバイスやISP、ネットワークなど様々な切り口で通話品質を確認できる。また、全通話について、パケットロスの発生状況などを確認できる |
・通話品質が悪いという問い合わせがあり、具体的な問題発生個所を特定する |
自動応答 |
営業時間外などにおいてIVR(Interactive Voice Response:自動応答システム)による自動応答を行う |
・ヘルプデスクの営業時間外において問い合わせがあった際に、現在は対応ができない旨を伝えられるようにする |
通話録音・ログの確認 |
クラウド上に保管されている通話の録音データを確認する。また、通話の発生日時などのログデータを確認する |
・コールセンターにおいてトラブル発生時の通話内容を後から確認する |
ユーザー管理 |
ユーザーの登録や削除を行う。また、各ユーザーに内線番号を設定する。 |
・新たに入社した社員に対して電話を利用できるように登録を行い、内線番号を発行する |
Zoom Phoneの導入方法
以下では、Zoom Phoneの導入検討に向けて有効な情報として、Zoom Phoneのライセンス体系とシステム構成についてご紹介します。
Zoom Phoneのライセンス体系
Zoom Phoneを利用する際には、基本的にユーザー単位でライセンスが必要となります。よって、電話を利用するユーザー数に応じて費用が変動します。また、Zoom Phoneには、電話番号が発行される「Japan Regional」プラン、新規で0ABJ番号の発行が可能な「Global Select」プランなど、下表の4種類のライセンスが存在します。
ライセンス名称 |
ライセンス概要 |
価格 |
Zoom Phone Pro |
・Zoom Phoneの機能をフルに利用できるライセンス |
1,100円/月/ユーザー |
Zoom Phone Japan Regional Plan |
・Proライセンスで利用できる機能に加え、電話番号が提供される ・従量課金制の「Metered」プランと定額の「Unlimited」プランから選択できる |
2,100/月/ユーザー ※Unlimitedプランの場合 |
Zoom Phone Global Select Plan |
・Proライセンスで利用できる機能に加え、電話番号が提供される。国内0ABJ番号の発行が可能。 ・従量課金制の「Metered」プランと定額の「Unlimited」プランから選択できる |
2,900円/月/ユーザー ※Unlimitedプランの場合 |
Zoom Phone Common Area |
・固定電話向けのライセンス。物理的な電話デバイスと紐づけて利用する |
560円/月/ライセンス |
※記載のライセンスは、年間のご契約が必要となります。
※記載の単価は10ライセンス~の価格となります。数量によって価格が変動しますので詳細は営業にお問い合わせください。
※為替の変動やメーカー価格改定等によって予告なく価格を変更する場合があります。
Zoom Phoneのシステム構成
Zoom Phoneのシステム構成には、以下の2つの構成パターンが存在します。
- BYOC(Bring Your Own Carrier)構成:既存の固定電話回線で使用している03、06などの0ABJ番号を利用できる構成
- ネイティブ構成:Zoomから払い出した電話番号を利用できる構成
電話環境のリプレースなどでZoom Phoneを導入するケースなど、既存の電話番号を継続利用したい場合は前者を選択します。また、新規オフィス開設などで新たに電話環境を構築し、電話番号も新規発行したい場合は後者を選択するとよいでしょう。
BYOC構成においては、電話番号を継続利用するために「SBC(Session Border Controller)」と呼ばれるゲートウェイを設置します。BYOC構成においては、通話はZoom PhoneのPBX機能が存在するクラウド環境へインターネット回線経由で接続しつつ、SBCを通して公衆回線網にも連携することで実現されます。
図:BYOC構成のイメージ
一方で、ネイティブ構成においてはSBCを介さずに、そのままインターネット回線でZoom PhoneのクラウドPBXと通信を行い、通話を実現します。ネイティブ構成ではSBCの設置が不要となるため、導入や運用が手軽になる点がメリットとなります。
図:ネイティブ構成のイメージ
無償でZoom Phoneをお試しする方法
さまざまなメリットがあるZoom Phoneですが、自社の電話環境はインフラとして重要なものであり、なかなか容易に変更することは難しいのではないでしょうか。そこで当社では、Zoom Phoneを1か月間お試しできるキャンペーンを提供しています。
このキャンペーンでは、トライアル用に新規で電話番号を発行してZoomPhoneの機能や品質を無償でお試しいただく事は出来ます。Zoom専属チームが導入時のサポートのほか、トライアル成功までをしっかりと支援いたします。
テレワーク環境を実現するために電話環境の整備を検討されている方は、ぜひ一度お問い合わせください。
本キャンペーンを利用するためには、有償のZoom Meetingライセンスを保有している必要がありますが、現在ライセンスを保有されていない方向けにZoom Meetingのラインセスを30日間無償で提供することも可能です。
また、現在すでにZoom Meetingsをご利用中の場合、環境の確認が必要となるため、まずはお問い合わせください。なお、Zoomの一次代理店である当社では、国内最安値でZoomライセンスを購入することができます。現在、乗り換えキャンペーンも実施しておりますので、併せてご検討ください。
まとめ
この記事では、企業向けのクラウド型電話サービスとして注目が集まるZoom Phoneについて、概要や機能、実際に利用してみた際に感じられたこと、ライセンス体系などを紹介しました。Zoom Phoneは、「利便性」「品質・信頼性」「コスト」などのメリットから、全世界で1万社以上に選ばれています。ニューノーマル時代における働き方を実現するために、有用なサービスといえるでしょう。
Zoomのスペシャリストが多数在籍している日商エレクトロニクスでは、これまで1000社以上にZoomを導入してまいりました。当社の豊富な知見を基に、Zoom Phoneの導入をサポートいたします。Zoom Phoneにご興味のある方は、ぜひ一度お問い合わせください。
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