【電話の一次対応を自動化】IVRとは?顧客満足度と業務効率を同時に上げる仕組みを解説
2025/12/12
目次
IVRとは?基本の仕組みと役割
「IVR(アイ・ブイ・アール)」という言葉を耳にしたことがあっても、その意味や具体的な仕組みまで理解している方は意外と少ないかもしれません。IVRは「Interactive Voice Response」の略で、日本語では「自動音声応答システム」と訳されます。電話を受けた際に、「〇〇の方は1を、△△の方は2を押してください」というようにガイダンスが流れ、発信者がボタンを押すことで、適切な窓口や担当者につながる仕組みです。

このIVRは、コールセンターはもちろん、店舗や事業所など、電話対応が発生するあらゆる現場で導入が進んでいます。その理由は非常に明快です。たとえば、以下のような課題に対して、IVRが大きな効果を発揮するからです。
- 営業時間外の電話対応ができず、顧客機会を逃している
- 電話が集中すると、担当者がパンクしてしまう
- 単純な問い合わせに毎回対応していて非効率
- オペレーターの対応スキルにばらつきがあり、品質が安定しない
IVRを導入することで、まず大きな変化が起きるのは「電話がつながらない」というストレスの削減です。たとえば、よくある「よくある質問(FAQ)」に関する問い合わせであれば、音声ガイダンスや事前録音メッセージで解決できるため、わざわざオペレーターが対応する必要がなくなります。 また、待ち呼(あふれ呼)による機会損失も防止できます。電話が殺到する時間帯でも、IVRを通じて振り分けができれば、顧客が必要とする窓口にスムーズにたどり着けるようになります。結果として、顧客満足度の向上と業務効率化を両立することが可能になります。 さらに、IVRの導入は「人材不足」への対策としても非常に有効です。電話対応にかかるリソースを削減できるため、少人数のチームでも安定した応対体制を維持できます。特に、複数の拠点や部署で問い合わせを受ける企業にとっては、部門ごとに分岐させるIVRの存在が、情報の整理や対応ミスの防止にもつながります。 最後に、「IVRの導入=大企業向け」というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、最近では中小企業や店舗単位での導入も増えています。特にZoom Phoneのように、クラウド型の通話ソリューションにIVR機能が標準で備わっているサービスであれば、初期投資も少なく、簡単に利用を開始できます。 次のセクションでは、Zoom Phoneを使ったIVR導入によるメリットを、より具体的にご紹介していきます。
IVRを導入するメリットとは?顧客満足と業務効率を両立
IVR(自動音声応答)の役割や仕組みを理解したところで、次に気になるのが「実際に導入することで、どんなメリットがあるのか?」という点ではないでしょうか。ここでは、IVR導入によって得られる具体的な効果を、5つの観点から詳しくご紹介します。
1. 顧客満足度の向上
IVRを導入する最大のメリットのひとつは、「つながりやすさ」が大きく向上することです。従来の電話対応では、着信が集中するとオペレーターが取りきれず、「電話がつながらない」という不満が生まれがちです。しかし、IVRを導入することで、発信者の用件に応じて適切な部署や担当者に自動で振り分けられるようになります。 これにより、待機時間の短縮や、たらい回しの防止が実現。特にサポート体制が重視される業界では、IVRによる初期対応の質が、そのまま顧客満足度の向上につながるケースが少なくありません。

2. 担当者の業務負担軽減
IVRを導入すると、オペレーターの対応件数を大幅に減らすことができます。たとえば「営業時間のお問い合わせ」や「支払い方法の確認」など、FAQで済むような質問に関しては、自動音声での対応や録音メッセージだけで完結するケースが多数あります。 これにより、担当者は本来対応すべき複雑な案件や重要な問い合わせに集中することが可能に。限られた人材でも業務の質を維持できるため、慢性的な人手不足にも対応しやすくなります。
3. 対応品質の標準化と属人化防止
IVRによるガイダンスは、どの顧客にも均一に提供されます。これにより、オペレーターによって対応品質がばらつくことがなく、企業としての一貫した対応体制が構築できます。特に複数拠点で同様の問い合わせが発生する企業にとっては、ガイダンスの標準化が大きな武器になります。 また、一次対応をIVRで自動化することで、業務フローの属人化を防ぎやすくなり、業務継続性の観点からも効果的です。
4. 24時間365日対応が可能に
IVRは人に依存せず稼働するため、営業時間外や休日でも一定の初期対応を提供できます。「ただいまの時間は受付しておりません」といった自動ガイダンスだけでなく、「Webからの問い合わせフォームをご案内します」など、次のアクションへスムーズにつなげる導線を用意することも可能です。 これにより、ビジネスチャンスの取りこぼしを防ぎ、問い合わせ数の拡大にも柔軟に対応できます。
5. 業務データの可視化
クラウド型のIVR(例:Zoom Phone)では、着信の件数や流入経路、選択された番号の傾向などをデータとして蓄積・可視化することができます。この分析情報は、今後のオペレーション改善や問い合わせフローの最適化に役立ちます。 たとえば、「②のメニュー(修理依頼)に毎週200件以上の着信が集中している」といった傾向が分かれば、該当部門の人員体制やマニュアルの見直しなど、より根拠のある対応が取れるようになります。

まとめ
IVRの導入は、「電話対応の効率化」だけにとどまらず、企業全体のCX(顧客体験)向上や組織の最適化にもつながるソリューションです。特にZoom Phoneのように、クラウド上で簡単に設定・変更・管理ができるIVRなら、専門知識がなくてもスピーディーに活用を開始できます。 次のセクションでは、Zoom PhoneでIVRを設定する具体的な流れと、操作画面の詳細についてご紹介します。
Zoom Phoneなら設定もカンタン!IVR構築の手順を解説
「IVRは便利そうだけど、導入や設定が難しそう……」そう感じている方も多いのではないでしょうか? しかし、Zoom PhoneのIVR(自動音声応答)機能なら、専門知識がなくても直感的に設定できるのが特徴です。ここでは、Zoom Phoneを活用してIVRを構築する際の基本的な手順を、管理画面のイメージとあわせてご紹介します。

Step1. 管理画面にアクセスし、「自動応答」機能を選択
Zoom Phoneの管理者権限を持つアカウントでZoomのWebポータルにログインし、左側メニューから「電話システム」>「自動応答(IVR)」をクリックします。 ここから新規IVRを作成したり、既存の設定を編集したりすることが可能です。クラウドベースであるため、ソフトのインストールや社内ネットワーク設定などは一切不要。ブラウザからすぐに作業が開始できます。
Step2. ガイダンス音声の録音・アップロード
次に、IVRで流す音声ガイダンスを準備します。Zoom Phoneでは以下の3つの方法が選択可能です。
- ・テキストを自動音声に変換する(Text-to-Speech)
- ・自分で録音した音声ファイルをアップロード
- ・その場で録音(ブラウザ録音機能)
たとえば「〇〇についてのお問い合わせは1番を、□□は2番を…」といった案内を、事前に録音しておけば簡単に登録できます。プロのナレーターによる音声も利用できるため、企業イメージに合った音声でガイダンスを流すことも可能です。
Step3. 分岐パターンを設定
ガイダンスにあわせて、発信者が選んだ番号ごとに転送先を設定していきます。たとえば以下のような設定が可能です。
- ・「1」を押した場合:カスタマーサポートチームに転送
- ・「2」を押した場合:修理窓口へ転送
- ・「3」を押さなかった場合:代表番号に転送 or メッセージ再生
Zoom PhoneのUIは、フローチャートを描くようにドラッグ&ドロップで操作できるため、設定は非常にシンプル。条件分岐や営業時間による対応切り替えなども、コードを一切書かずに行えます。

Step4. 営業時間・休日対応の設定
IVRは、時間帯ごとに対応を変えることもできます。たとえば、営業時間内は通常の分岐設定、営業時間外は音声案内だけに切り替える、といったことも可能です。 また、休日や祝日は専用メッセージを流すこともでき、人的な対応を必要とせずに問い合わせ対応を継続できます。
Step5. テスト通話&公開
設定が完了したら、実際に社内でテスト通話を行い、意図した通りの分岐・音声再生が行われるか確認します。テストが完了すれば、即日公開も可能。設定変更もリアルタイムに反映されるため、運用しながら微調整していくスタイルもとれます。
どんな企業でも導入しやすい、柔軟な構成
Zoom PhoneのIVRは、1拠点の店舗から、数百席のコールセンターまで幅広く対応可能です。特にクラウドPBXであることから、支店やテレワーク環境下でも同じガイダンスを適用でき、場所に縛られない柔軟な運用が可能になります。 「こんな設定はできる?」「現状の電話環境から移行できる?」といった疑問にも、当社では無料で個別相談を実施しています。ぜひお気軽にご相談ください。
業種別IVRシナリオ事例集|「よくある問い合わせ」は自動化できる
IVR(自動音声応答)は「大企業が使うもの」と思われがちですが、実際には中小規模の企業でも導入が進んでいます。特に「同じような電話問い合わせが多い」「営業時間外にも案内を流したい」「スタッフの対応負荷を減らしたい」といった課題を抱える業種では、IVRの導入効果が非常に高くなります。 ここでは、Zoom PhoneのIVRを活用した**業種別の具体的なシナリオ事例**をご紹介します。

小売業・サービス業
小売店舗や美容室、飲食店などでは、「予約」「場所の問い合わせ」「営業時間の確認」など、似たような電話が日々寄せられます。スタッフが忙しい時間帯に繰り返し対応していると、業務効率が落ちるだけでなく、接客品質にも影響を与えかねません。 ▼ IVRシナリオ例:
- 「①ご予約・キャンセルのお問い合わせ」→ 自動音声ガイダンスにて予約サイトのURLを案内
- 「②営業時間・店舗の場所について」→ 音声で営業時間・アクセスを案内
- 「③その他のお問い合わせ」→ スタッフへ転送
これにより、「情報だけ知りたい」顧客を自動処理し、スタッフは本当に必要な対応に集中できます。
修理・サポート業務
製品サポート窓口では、「修理依頼」「故障症状の確認」「進捗確認」など、対応の分類が重要です。IVRによって正しい担当部署に振り分けることで、1回の通話で解決する確率が高まり、顧客満足度も向上します。 ▼ IVRシナリオ例:
- 「①修理のお申し込み」→ 修理受付専用チームへ転送
- 「②修理の進捗確認」→ 修理ステータス自動応答、またはシステム連携
- 「③製品に関するお問い合わせ」→ カスタマーサポートチームへ
Zoom Phoneでは、SalesforceなどのCRMツールと連携することで、顧客情報を画面に自動表示させる仕組みも構築可能です。
医療・クリニック
医院やクリニックでは、受付時間の確認や予約の変更が多く寄せられます。看護師や受付担当がこれらの電話対応に追われていると、本来の医療業務に支障が出ることもあります。 ▼ IVRシナリオ例:
- 「①診療時間のご案内」→ 音声ガイダンスで曜日別の診療時間を案内
- 「②予約の変更・キャンセル」→ 予約サイトへの誘導 or 自動受付
- 「③緊急のお問い合わせ」→ 担当医や看護師につなぐ(指定時間外は留守電)
休日や夜間でも、適切なメッセージを案内することで、患者の不安軽減とスタッフの負担軽減の両立が図れます。
士業(弁護士・税理士・社労士など)
士業事務所では、相談予約や手続きの問い合わせなど、業務内容が多岐に渡ります。特に「今すぐ弁護士と話したい」といった緊急対応が必要な場合、しっかりと分類しないと他業務が圧迫されてしまいます。 ▼ IVRシナリオ例:
- 「①新規のご相談について」→ 事務局へ転送(初回ヒアリング)
- 「②進行中の案件について」→ 担当士業者に直接転送
- 「③ご請求や事務手続きについて」→ 経理・事務局へ転送
IVRにより、クライアントの問い合わせ内容を正確に分類することで、業務の優先順位を明確にし、対応スピードが改善されます。
イベント・セミナー事業
イベントやセミナーの主催者もまた、「場所の確認」「キャンセル対応」「詳細の問い合わせ」など多くの電話に追われがちです。ピーク時期には人的対応が追いつかず、IVRの導入で大幅な効率化が可能になります。 ▼ IVRシナリオ例:
- 「①会場へのアクセスについて」→ 音声で道順と最寄駅を案内
- 「②キャンセルや変更手続き」→ 自動受付 or Webフォームへ誘導
- 「③その他」→ 運営事務局に転送
Zoom Phoneで構築したIVRはイベント期間だけの限定運用も可能で、終了後に停止するのもワンクリックで完了します。

あなたの業種にも必ず使えるパターンがある
今回ご紹介したのはほんの一例ですが、IVRの良さは「どんな業種・業務にも柔軟にカスタマイズできる」点にあります。Zoom Phoneでは、テンプレートからシナリオを作成することも、ゼロから完全オリジナルのフローを組むことも可能です。 「何から手をつければいいかわからない」という場合でも、専門スタッフが最適なシナリオをご提案し、構築・運用まで伴走します。次のセクションでは、そのサポート体制や導入の流れをご紹介します。
双日の支援で、IVR導入も“丸投げ”できる安心感
「IVRが便利なのはわかるけれど、自社の業務に合わせてどう設計したらいいかわからない」「フローを作るのに手間がかかりそう」と感じる方も少なくありません。実際、IVRは便利な反面、“どう設計するか”が成功の鍵を握ります。 そんなとき頼りになるのが、Zoom Phone正規代理店として多くの導入実績を持つ私たちの支援体制です。単なる設定代行ではなく、**業務フローのヒアリングから設計、構築、運用サポートまでワンストップで対応**いたします。 たとえば、次のようなサポートが可能です。
- 業種・業務内容に合ったIVRシナリオのご提案(例:医療・店舗・士業など)
- 社内ルールや部門構成に応じた分岐条件の設計
- 音声ガイダンスの原稿作成や録音支援(人の声・自動音声いずれも可)
- Zoom Phoneの管理画面を用いた初期設定・検証
- 導入後の効果測定やチューニング支援
さらに、Zoom PhoneとIVRだけにとどまらず、**代表電話の内線化や、TeamsやSalesforceなどの連携**、受付システムや会議室システムとの統合といった、**“オフィス全体のコミュニケーション設計”**を視野に入れた提案も可能です。

「IVR導入は難しい」と感じていた方こそ、ぜひ一度、私たちの支援をご活用ください。次章では、よくある疑問をQ&A形式で解説します。
通話体験を変えるIVR──次は“導入”を体感しよう
IVR(自動音声応答)は、単なる電話の振り分け機能にとどまりません。対応漏れの削減、顧客満足度の向上、担当者の業務負荷軽減──これらをすべて同時に叶えられる、極めて有効なソリューションです。 Zoom Phoneなら、IVRの構築・運用が驚くほどシンプル。誰でも使える直感的な画面と、堅牢なクラウド基盤、そして万全のサポート体制が揃っています。 「なんとなく必要だと思っていたけれど、実際にどう導入すればいいのか分からない」「うちの業務に合ったIVRって何だろう?」という方こそ、ぜひ一度、プロと話してみませんか?
\IVRの導入は、業務改革の第一歩です/
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