Zoom社の買収により注目!従業員エンゲージメントを高めるWorkvivoとは?
2024/11/19
テレワークの普及やコミュニケーションの希薄化が叫ばれる中、従業員同士のコミュニケーションを促進し、エンゲージメントを高めるためのツールに注目が集まっています。2023年にZoom社により買収されたWorkvivoは、コミュニケーション促進・エンゲージメント向上を実現するデジタルプラットフォームでのトップランナーといえます。一方で、Workvivoの日本における知名度はまだ高くありません。そこでこの記事では、近年注目度が高まっているWorkvivoについて詳しくご紹介します。
目次
Workvivoとは
Workvivoは、従業員エンゲージメントを向上させるためのデジタルプラットフォームです。Workvivoは企業内のコミュニケーションを強化し、従業員が一体感を感じられる環境を提供します。
Workvivoは2023年にZoom社により買収され、Workvivo by ZoomとしてZoomと一体となって提供されるようになりました。
なお、2024年に発表されたWorkplace from Metaの廃止に伴い、Meta社は優先移行先のパートナーとしてWorkvivoを選出し、移行ツールや移行サポートを無償で提供する予定です。2026年のWorkplace from Metaのサービス停止までに、Workvivoの利用ユーザーはますます増加していくことが予想されます。
Workvivoの特徴
Workvivoは、従業員が会社のミッションや価値観を理解し、共感できるような仕組みを提供します。具体的には社内ニュースやイベント情報を共有することで、従業員が常に最新の情報にアクセスできるようにするほか、従業員同士がフィードバックを交換できる機能が用意されています。
また、Workvivoはモバイル対応もされており、いつでもどこでもアクセス可能です。リモートワーク中でも従業員同士がつながり続けることができます。
Workvivoは、単なるコミュニケーションツールにとどまらず、企業全体のエンゲージメント向上を目指した包括的なプラットフォームといえるでしょう。
Workvivoでできること
以下では、Workvivoで実現できることについて、より詳しくご紹介していきます。
①コミュニケーション強化
Workvivoを導入することで、場所を問わずチームと有意義かつ効率的につながることができ、社内のコミュニケーション強化を実現します。
<主なユースケース>
- デスクトップPCだけでなく、モバイルデバイスからもリアルタイムで双方向チャットが可能。組織内の全従業員にリーチできる。
- ビデオ、ポッドキャスト、画像などのさまざまな形式でメッセージを送信。従業員へ伝わりやすい形でメッセージを発信できる。
- 社内報やトップメッセージなど、目的別にキャンペーンを作成し、効果の分析と達成度のモニタリングを行う。
- Workvivo TVにより社内のディスプレイをデジタルサイネージ化。たとえばオフィスロビーでメッセージを配信するような使い方も。
その他、Workvivoには以下のようなコミュニケーション機能が用意されています。
機能 |
概要 |
スマートアクティビティフィード |
アクティビティフィードにて、自身で必要な情報を取捨選択して確認する |
ポッドキャスト |
社内向けにポッドキャストを配信し、コミュニケーションを強化する |
Workvivo TV |
オフィス、食堂、工場のロビーなど、社内のあらゆる場所に最新情報を配信する |
ライブストリーミング |
会社の最新情報をリアルタイム配信する |
キャンペーン |
各種キャンペーンを簡単に作成、管理する |
プッシュ通知 |
チャットや動画配信などをプッシュ通知により従業員全員に即座に連絡 |
90言語への自動翻訳 |
多国籍企業においては、コンテンツを各国の従業員の母国語に翻訳することも |
②デジタルワークプレイスとしての活用
テレワークが一般化する現代において、Workvivoはデジタルワークプレイスの実現にも効果的です。
<主なユースケース>
- 組織図や従業員ディレクトリ機能により、組織全体で従業員同士をつなげ、テレワーク下でもチームのコミットメントを最大化する。
- 社内の各種システム・ツールを集めた一元的なアプリランチャーにより、利用者の利便性を高める。
- 社内でよくある質問やマニュアル、Wiki などを使用し、有益な情報を提供する。
- 一元的な場所でドキュメントを管理し、アクセスを容易にする。
その他、Workvivoには以下のようなデジタルワークプレイス機能が用意されています。
機能 |
説明 |
ナレッジベース |
自社の製品・サービス情報について、誰でも簡単にアクセスできるようにする |
HRおよびコミュニケーションの統合 |
Workday、Merge.devなどのHRツールや各種コミュニケーションツールと連携する |
従業員ディレクトリ |
社内の従業員名簿を参照し、連絡を取れるようにする |
組織図 |
社内の体制を理解できる組織図を配信する |
ドキュメントストレージ |
文書を一元的に保存し、従業員が参照しやすいようにする |
SSO / プロビジョニング |
シングルサインオンにより効率的かつセキュリティリスクを軽減したログインを実現する |
外部プラットフォーム連携 |
Zoom、ServiceNowなどのプラットフォーム連携のほか、Google WorkplaceやMicrosoft 365 などのオフィスツールとも連携 |
③従業員のエンゲージメント強化
Workvivoには、会社の一員として従業員の体験を強化するためのさまざまな仕組みが用意されています。
<主なユースケース>
- Shoutouts(感謝の言葉)、Badges(バッジ)、Moments(モーメント)などの機能で、メンバーの成功を称賛する。
- 専用のコミュニケーション環境である「スペース」を構築し、メンバー同士の関係を育成する。
- Say Hi機能で新入社員や異動者などの新しいメンバーをチームに招き入れ、初日から信頼関係を構築する。
その他、Workvivoには以下のような体験強化機能が用意されています。
機能 |
説明 |
同僚からのレコグニション、アワード |
各種称賛機能により公の場で称賛することで、仕事の成果を認める |
コミュニティスペース |
共通の関心事について、場所や部門を超えて従業員同士が交流できる |
Q&A |
業務上の不明点についてQ&Aを掲載する |
投票 |
各種投票を実施する |
絵文字リアクション |
手軽に気持ちを伝えられる絵文字でのコミュニケーションを行う |
④分析とインサイト
コミュニケーション強化、エンゲージメント向上のための各種取り組みの効果分析も、Workvivoの分析機能で実現します。
<主なユースケース>
- アンケートを使用してエンゲージメントや各種パフォーマンスなどのフィードバックを取得する。
- 分析機能により、各種キャンペーンへの参加状況やコンテンツの閲覧状況などを把握し、改善活動を行う。
- 対象を絞ってコミュニケーションを行うことで、機密情報など重要なデータの共有も実現。
その他、Workvivoには以下のような機能が用意されています。
機能 |
説明 |
アンケート |
従業員向けに各種アンケートを簡単に作成できる |
従業員分析 |
従業員の意見やフィードバック、感情などをリアルタイムで測定し、分析 |
コンテンツ分析 |
各コンテンツについて、アクセス状況やエンゲージメントの獲得状況を分析する |
プラットフォームの使用状況分析 |
アクティブ状況、ログイン、投稿、コメントなどの行動を測定し、利用動向を確認。投稿や記事、イベントの参加状況、コンテンツのリーチ状況なども確認可能 |
組織の目標達成状況の測定 |
会社の目標を定義したうえで、目標達成状況を測定する |
Workvivoの評価
WorkvivoはAmazon、Motherson、White Castle、Bupa、Ryanairなど、世界中のあらゆる業界の企業において利用されています。2023年には、著名なIT調査会社であるガートナー社から、Gartner Magic Quadrantのイントラネットパッケージソリューション部門でリーダーに選出されるなど、高い評価を得ています。 Workvivoが高い評価を得た背景として、ガートナー社は以下の点に触れています。
コミュニケーションと人材管理機能の両方を備える
Workvivoは、従業員の社内コミュニケーション推進を行うチームとHRチームの両方のニーズをサポートできるツールです。このようなツールはほかになく、強力な従業員コミュニティを形成できる数少ないベンダーの1つとして評価されています。
イントラネット代替ツールとして利用できる
Workvivoは、生産性向上・コラボレーション強化、作業管理などの機能を備えており、従来のイントラネットに代わる従業員向けの情報提供手段として強力な役割を果たしています。 ガートナー社は「過去5年間で従業員エクスペリエンスの重要性に対する認識が高まっており、職場における従業員への情報提供やサポートの緊急性が高まっている。その中でイントラネットの再定義、再設計、再プラットフォーム化は改善に向けた最も有効な手段の一つといえる」と言及しており、イントラネットの改善を重要視しています。
Zoomとの相乗効果
Zoom社が2023年4月にWorkvivoを買収したことで、Workvivoはより広範なユースケースが生まれました。現状ではWorkvivoとZoomは別々に提供されているものの、今後はZoomのエコシステムを活用した機能強化が期待されます。 このように、Workvivoは様々な観点で高い評価を得ています。今後もZoomプラットフォームの一員として、さらなる機能拡張が期待されます。
まとめ
この記事では、近年注目度が高まっているWorkvivoについて詳しく解説しました。 Zoomと一体化したことで、Workvivoはますます注目のツールとなりました。テレワークの実施などを背景に従業員同士のコミュニケーション希薄化に悩まれている企業においては、Workvivoの導入を検討してみてはいかがでしょうか。